Story Bridge

火車 (新潮文庫)火車 (新潮文庫)
(1998/01)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


本当にいまさらですが、宮部みゆきの代表作とも言えるこの作品を読みました。
先に書いてしまったけど、東野圭吾の分身の前に読んだ本です。

これはヤバイです。
このミスの歴代ナンバー1(だったはず)に選ばれただけあります。
東野圭吾の「白夜行」の続編といえる、「幻夜」を読んだ方のレビューに多く書いてあったのが、この「火車」のこと。
だれも知らないところで、一人の女性が消され、別の女性にすり替わっている。
そしてそのアイデンティティのまま、誰に気づかれること無く普通の生活をしていく。
しかし、ある契機にその存在に疑問を抱き、徐々に真実に近づいていく人物の存在が。。

そんな共通点があるのが「火車」と「幻夜」です。
幻夜の美月の方が謎が多く、すり替わりの目的もかなり自己中心的な感じなので、あくどいんですけど。

この「火車」は、作中に出てくる脇役がかなりいい味をだしていて、温かみがあります。
同僚の刑事、同じ団地に住む夫妻、主人公の養子、その友達、捜査で出会った協力者たち。
それぞれの人物像がちょっとした文章の中で思い描くことが出来て、描写がウマイなぁ〜と。
あんまり女性の作家さんという感じを受けず、女性特有の感情的で取り乱すという狂気的な文章も感じず、好きなタイプの作家さんです。
桐野先生のようなちょっと想像もつかないような世界観を書けるのも尊敬しますが、読みやすさから行くと宮部先生のほうが好きかな。
分身 (集英社文庫)分身 (集英社文庫)
(1996/09)
東野 圭吾

商品詳細を見る


もう随分前の作品です。
古本で購入し、ひたすらバスの移動中で読みました。
東野圭吾先生の文章には、いつもいつもすぐに引き込まれてしまって、色々な謎が複雑に絡み合い、どきどきさせられます。

今回のテーマは、クローン人間です。
この作品が書かれてから何年も経過した現在では、遺伝子の研究は随分進み、人工授精、代理母、試験管ベイビーなど認知度が上がって、成功症例も増えています。
本作品では、人間が越えてはいけないラインを超えてしまった、いわばSFのよう。

お互いの存在を知らずに普通に育てられた二人の同じ顔をした少女。
出生の謎。
二人を追う研究者たち。
二人の母の謎の死。
二人を協力するものたちの企み。
お互いの存在を知った二人、そしてオリジナルの存在。

二人が対面するその時・・・

小道具としてレモンが出てくるのですが、そういうちょっとした物を作中で扱うことで文章のうまさを感じます。
この前に読んだ東野作品「天空の蜂」は、ちょ〜っと難しすぎたから文章の中に入り込めなくリアリティを感じずドキドキ感がいまいちだったんですが、やっぱり東野圭吾はおもしろいです。
私は東野圭吾さんの小説が大好きです。
以前ドラマ化された「白夜行」という小説の続編である、「幻夜」を最近やっと読み終えました。
文庫本になって結構経ちますが、古本屋で安く購入して読みたかったのでこんなに入手するのが遅くなってしまいました。
幻夜幻夜
(2007/03)
東野 圭吾

商品詳細を見る

この作品については、既にいろんな方が白夜行と幻夜の謎というか、共通点 というか、要は幻夜の新海美冬が誰なのか、という点についてネット上で語っています。
この二つの作品、まったく切り離して読んでも面白く読めますが、続編として、この二つの作品の間の書かれていないところで一体何があったのか。。それを考えるともっと楽しめます。

白夜行では、主人公の二人、唐沢雪穂と桐原亮司は精神的に深くつながっている事が読み取れました。ただ、主人公以外の第三者の視点で物語が進んでいくので、二人の心情は全くかかれてないのです。
二人は数々の犯罪に手を染めていきますが、それは二人の為(雪穂の為が多かったが)にやっていたことでしょう。

この幻夜では、主人公は新海美冬と水原雅也になりますが、最初は白夜行と同じ展開で、二人がそれぞれお互いの幸せのために犯罪に手を染めているように書かれています。

雅也の実家は工場経営をしていたが、経営はうまくいかず借金で追い詰められ、ついには父が自殺。
その通夜の席で、雅也の叔父が、父に貸した金を保険金で返済をするように雅也に要求し、そのまま宿泊し、翌朝、阪神大震災が。。雅也は工場で物思いにふけっていたため無傷だったが、
叔父は崩れた家の下敷きになったが、死んではいなかった。
雅也は衝動的に叔父の頭部を殴り止めをさした。
その現場を美冬が目撃し、出会うのです。

雅也と美冬は一緒に東京に移り、二人の幸せのために。。という美冬の言葉により、雅也は犯罪に手を染めるのですが、実際は、美冬が雅也をうまく操っているんですね。
作品の途中で、新海美冬と名乗っていた主人公は、本物の新海美冬ではなく、阪神大震災の後、別人が美冬に成り代わっていたということが明らかになります。
美冬は雅也に素性を明かすこともしないし、巧みに雅也を騙して自分に協力させていたのです。

これはあくまで推測ですが、唐沢雪穂が阪神大震災以降、新海美冬を名乗っていた人物なのでしょう。
白夜行のラストで亮司は死にます。その亮司の代わりに選ばれたのが、雅也だったのでしょう。
なぜ雪穂が美冬を名乗ったのか、雪穂であることを捨てたのかはわかりません。
でも、雪穂が経営していた都内3店舗と大阪の1店舗のブティックはなくなっているようです。
そして、本物の美冬は、雪穂を慕っていたブテッィクの従業員の誰かのようです。

幻夜のラストでは美冬の正体や悪事を追っていた人物がバタバタと死んで、美冬の一人勝ちのような形で幕を引きます。
これは東野圭吾さんは続編を書くつもりであえてこのラストにしたと信じています。
私は、小説を読むのが好きなのですが、特に好きなのがハードボイルド/ミステリーものです。

小説を読むということが好きになったきっかけは、オーストラリア留学中にとにかく活字に飢えていて、何でも良いから日本語が読みたかった為、友達から借りて今までは興味のなかった小説を読んだことです。
これ面白いよって貸してもらったのが、「桐野夏生」先生の「顔に降りかかる雨」です。
江戸川乱歩賞受賞作ですね。
読み慣れていない私はすご〜く時間がかかって読んだわけですが、一気に引き込まれました。。
小説ってこんなに面白いものかと思いました。
人生損してた感じです。

それからというもの、日本から母に小説を送ってもらいどんどんはまって行きました。
まぁ、本当は英語をもっと勉強しろよって感じなのですが(笑)

現在好きな作家は、桐野先生を代表に、東野圭吾、唯川恵、奥田英朗、宮部みゆきなどなど。。

今は、志水辰夫の「行きずりの街」を読んでいます。
かなり古い作品ですが、とても面白いです。
続きが気になって仕方ない!!